香水とは
香水とは香料をアルコールに溶かした液体のこと。ファッション同様、TPOに合わせて体に身につけて楽しみます。主に高級なファッションブランドから販売されますが、人気ある芸能人なんかも香水を販売することがあります。
アルコールに溶かされる香料の種類は、多くの場合一種類ではなく、たくさんの種類が混ぜられています。複雑にたくさんの香料を混ぜ合わせてもなお「いい香り」と感じさせることは非常に難しいので、香料の調合を生業とする「調香師」と言う専門家が香水を作ります。
香水の本場フランスでは、評価の高い「調香師」に与えられる称号が用意されるなど、日本に比べて香水への注目度が高く、化粧品と同じくらい一般的です。
香水は、香料の割合に合わせていくつかの種類に分かれます。また男性用・女性用・共用(ユニセックス)といったように、女性向けの香水や男性向けの香水などに分けられています。
香料とは
香料とは香りの元になる成分のこと。香りの元になる成分なので、香料は数え切れないほどにたくさん(2,500種類以上)ありますが、大きく分けると2種類にまとめられます。
一つはさまざまな植物や動物から抽出される「天然香料」。どんなものであれ天然物というものはとても貴重で、高価になってしまうという欠点があります。例えば、個体数が少ない植物や動物から抽出される香りはとても高価。収穫時期が限られるものもそれなりに価格が高くなる傾向にあります。
植物や動物から抽出できる香料の量はわずかですので、個体数の多い植物であっても動物であっても貴重。また、気候により品質や価格変動が大きいこともデメリットの一つです。
もう一つは、天然香料を再現、もしくは存在しない香りを作り出すといった「合成香料」。抽出するわけではないので個体数は関係ありません。収穫時期も関係ありませんし、気候による変動は少ないでしょう。
このように香水は、「天然香料」と「合成香料」を複雑かつ上手に組み合わされて作られています。
※「天然香料」よりも高価で貴重な「合成香料」もあります。
同じ抽出元でも抽出法によって香りが変わる
香料の抽出方法には種類があります。最も多く活用されている抽出方法が「水蒸気蒸留法」です。原料を釜に入れ、水蒸気を送り込むことで精油成分だけを取り出す方法です。
しかし「水蒸気蒸留法」には欠点があります。熱と水に晒されるため、香りの一部、もしくはほとんどが壊されてしまうのです。特に熱に弱い柑橘系の香りは「水蒸気蒸留法」ではほとんど香りが破壊されてしまうため、「圧搾法」という別の方法で抽出されます。
大人気かつ貴重な抽出元・バラの場合、主に2種類の抽出法で香料が抽出されます。一つは「水蒸気蒸留法」で得られた香料で「ローズ・オットー」と呼ばれます。バラはそこまでデリケートな植物ではないので「水蒸気蒸留法」でも十分にいい香りを抽出できますが、やはり一部の香りは熱などによって損なわれてしまいます。
そこで、「溶剤抽出法」と呼ばれる、石油エーテルやエタノールにつけることで香料を抽出する方法も活用されます。これにより得られた香料の名前は「ローズ・アブソリュート」。同じバラの花から抽出されているのに、抽出法が異なるだけで香料の名前が変わります。
なぜなら、熱や水により破壊された香りが全くなく、デリケートな香り成分も抽出された「ローズ・アブソリュート」の方が香りがいいからです。
そのほかにも様々な抽出法が活用されていますが、バラのように複数の抽出法が使われ、香りに差をつけられた、名前まで変わってしまう香料も存在します。
香水の香りはつけた人によっても変わる
香水の香りは、つけた人の体臭と混ざり合って香ります。つまり、同じ香水をつけていても似たような香りというだけで、人によっては全く異なる香水をつけているように感じる場合もあります。
香水は揮発性(蒸発)により香りますが、それにより香りがトップ・ミドル・ラストと3段階に香りが変化します。揮発は人の体温にも影響を受けますので、体温の高い人の方が効率よく香ります。そのため香水のつける場所はすべて、体温の高い脈打つ場所が推奨されています。
このように香水は、つけた人によって香りが多少変わってきます。また同じ人であっても、肌の状態によって香りも変化します。汗をかいただけでも香りが変わります。香水に体臭と混ざり合って香るという特徴があるからです。一般的には、汗をかきやすい場所や皮脂量の多い場所は避けて香水をつけます。